近年ではカラーレンズの機能性や必要性への理解が進み、屋外だけでなく室内やビジネスの場面でも取り入れられる機会が増えてきました。今回は、カラーレンズに興味のある方や挑戦してみたい方に向けて取り入れやすいカラーを中心にレンズの選び方を紹介していこうと思います。


なぜ、サングラスや色の付いたレンズを着用するのか

 カラーレンズにはクリア(透明な)レンズ同様、外部の刺激から目を守るのに役立ちます。私たちの目はいつも紫外線(UV)や風やホコリ、乾燥した空気などの刺激にさらされています。これらの刺激は積み重なると目へのダメージとなり、ドライアイや眼精疲労などを引き起こします。レンズの付いたメガネやサングラスはそれら外的刺激から目を守り、目の損傷を予防してくれます。コンタクトレンズ使用者にとっても目へのごみの侵入などは角膜を傷つける要因になるため、気になる方はメガネやサングラスの着用がおすすめです。

 色の付いたレンズだからこその機能性ももちろんあります。日差しが強い場所や強いライトが当たる場面、運転時や海・雪山などの反射が強い場所では、目がまぶしさで疲れやすくなります。また、慢性的、もしくは一時的に感覚過敏(光過敏症や視覚過敏症など)になっており、人より眩しさを感じやすい方や、光によって頭痛などの体調不良を引き起こしやすい方もいると思います。カラーレンズにはそのような光による刺激を緩和し、見えやすさの確保や体調の変化、疲れを予防してくれる効果があります。

 色付きレンズには人の心理を安定させる効果もあります。フレームやカラーレンズによって自身の内に入ってくる情報を制限したり、他人からの視線を遮ったりすることで安心感を得られる場合があります。


自分に合ったレンズの色と濃さ

 レンズの色と濃さはご自身との相性(見やすさ、感じ方)や使用目的によって決めるとよいです。見やすさや視界への影響を把握するためにも、まずはお店などでカラーサンプルを試すことをおすすめします。人によって心地よく感じる色やノイズに感じる色は様々です。カラーレンズをかけると、どうしてもレンズの色がが視界を独占してしまうため、自身の見え方にあったカラーを選ぶことが大切です。

 一般的にグレーやブルーなどの寒色系のカラーは視界全体のトーンを落とし、まぶしさを軽減するのに役立ちます。ブラウンやピンク、オレンジといった暖色系のカラーは視界のコントラストを際立たせ、物の細部や輪郭を判別するのが容易になります。濃度は濃くなるほどまぶしさを軽減できる反面、光の少ない場所での視認性が下がります。使用する場所や目的に合わせて適切なカラーと濃さを選ぶとよいでしょう。


レンズの色と濃さによる外観の違い

 今回比較するカラーレンズは、HOYA アリアーテ トレスより以下の4種類です。

 こちらのレンズカラーは度付きレンズ用で、新しい度付きメガネをご購入の際や度付きレンズ交換の際にお選びいただけるカラーです。度なしレンズ(伊達メガネ)の場合は別のカラーラインナップがございますので、今回の比較をご参考にカラーをお選びいただければと思います。

 それぞれのカラーレンズを以下のとおりにフレームに合わせ、撮影を行いました。

フレーム:CLAYTON FRANKLIN クレイトンフランクリン 778 MBK
カラーレンズ:HOYA アリアーテ トレス トゥルーグレイ

フレーム:GROOVER グルーバー FOKKER フォッカー COL-6
カラーレンズ:HOYA アリアーテ トレス ブリーズブルー

フレーム:CLAYTON FRANKLIN クレイトンフランクリン 616 DM デミブラウン
カラーレンズ:HOYA アリアーテ トレス グロウプラム

フレーム:EYEVAN アイヴァン MINOTAUR col-G 49サイズ
カラーレンズ:HOYA アリアーテ トレス フェアオークル



まずは屋外での見た目からです。

レンズがグレーの場合、濃度15%および25%の外見はほとんど普通のメガネレンズと変わらないように見えました。50%でははっきりとカラーがわかり、一般的なサングラスのような雰囲気になりました。

レンズがブルーの場合は濃度15%で普通のメガネと同じような外観、25%はややレンズが青みがかっているなと感じる程度、50%では鮮やかな青が映えるような見た目でした。

グロウプラムは赤みがかったブラウンで、他のカラーに比べて温かみを感じるカラーです。濃度15%の場合はほとんど普通のメガネと同じ外観、25%では色は目立たず少し顔に色が差す程度でした。50%ではしっかりとカラーが入りますが、他のカラーよりも顔になじんでいるように見えました。

フェアオークルはオレンジ寄りのブラウンで他のカラーに比べると色味が鮮やかに感じました。濃度15%の場合でもカラーを感じる外観で、濃度が高まるにつれて色味の存在感が増していきました。こちらは着用者視点だと、まぶしさが抑えられるというより物の輪郭がはっきりと感じるようになるイメージでした。



続いて、同じカラーレンズを室内で着用した場合の外観を比べます。

 室内では全体的に屋外よりもレンズカラーが濃く見える傾向にありました。また、着用者側から見ても屋外と比べて室内は視界が暗く映ります。

レンズカラーがグレーの場合、濃度15%では屋外同様にクリアレンズとほとんど見た目は変わりませんでした。25%ではやや色を感じますが、今回のカラーの同濃度を比べた場合、一番主張がなく、顔によくなじんでいるような見え方でした。

レンズカラーがブルー、グロウプラムの場合は、グレーほどではありませんが色味が目立たない印象でした。

フェアオークルの外観は他よりわかりやすく、濃度15%でもカラーの鮮やかさを感じました。


ビジネスでもプライベートでも活躍するカラーと濃度は?

 ビジネスとプライベート両方で使用することを考えた場合、一般的に一番取り入れやすいカラーとしてベーシックなグレーを選ばれる方が多い気がします。また主観ではありますが、前述したとおり、同じ濃度で比べたときに外観が一番落ち着いて見えるカラーはグレー(トゥルーグレイ)でした。

 グレーの中で濃度を比べると、濃度15%の外観は屋外と室内どちらでもほとんど普通のクリアレンズと変わらないように見えました。

▼HOYAアリアーテトレス トゥルーグレイ 濃度15%

 濃度を25%に引き上げた場合、屋外ではほとんどカラーレンズ感はなく、室内では少し色味を感じる程度でした。

▼HOYAアリアーテトレス トゥルーグレイ 濃度25%

 室内でも使用することを考えた場合、濃度50%は外観も着用者側からもかなり暗く見えてしまうためやや使いづらいと思います。したがって、濃度15%と25%で迷われる方が多いと思います。外観としては15%のほうがクリアレンズに近く違和感が少ないとは思うのですが、着用した際のまぶしさは抑えにくくなってしまいます。目立つのは嫌だけどまぶしさは抑えたいという方はぜひ、濃度25%に挑戦してみることをおすすめします。ぜひカラーレンズサンプルで見え方の違いも確かめてみてください。

 外観はとくに、着用する方の肌の色や服装、光の加減によって変化するとは思いますが、参考にしてくださると嬉しいです。


どのフレームにでもカラーレンズを入れることはできるの?

 基本的にはどのフレームであってもお好きなカラーレンズにカスタムすることが可能です。

 当店でフレームのみをご購入された場合、デモレンズ(商品に元からついている透明なレンズ)が入った状態のフレームをお渡しいたします。フレームに加え、オプションとして、度付きレンズをご希望の方は、まず度付きレンズの種類(屈折率など)をお選びいただきます。さらにカラーレンズをご希望の方はカラーレンズオプションより、好みのカラーと濃度を自由にお選びいただきます。これらのお選びいただいたレンズオプションをもとに、度付きのカラーレンズが入ったフレームが完成いたします。

 度付きカラーレンズだけでなく度なしカラーレンズやミラーレンズ、偏光・調光レンズなどにも変更することが可能ですのでご希望の方はご相談ください。


最後に

 この記事を読んでくださった皆様、誠にありがとうございました。試してみたいカラーレンズは見つかりましたか?この記事が皆様の生活の役に立てば幸いです。カラーレンズが気になった方はぜひ挑戦してみてくださいね。


店舗でのご試着について

こちら記事でご紹介したカラーレンズやフレームはメガネナカジマの店舗で試着することができます。 もし興味を持ってくださった方がいらっしゃいましたら、ご来店お待ちしております。

店舗の場所はJR南武線の中野島駅の目の前。 詳細は以下のとおりです。

住所:〒214-0012 神奈川県川崎市多摩区中野島3-14-2
定休日:木曜日(詳細は営業日カレンダーを御覧ください)
営業時間:10:00〜19:00
※商品の在庫がない場合もございます。ご了承ください。